ワークカレッジの新聞記事2


若年無業者、いわゆるニートの若者が就学や就労を目指しても、規則正しい生活を送ったり、良好な人間関係をつくることは容易ではない。そうした若者に、基本的な常識を身につけ社会参加への意欲を喚起させることを目的とする「学校」が10月、宇都宮市内にオープンする。
「とちぎユースワークカレッジ」がそれで、県が若年無業者支援事業としてNPO法人のとちぎユースサポーターズネットワークに委託する。
対象は15歳から39歳までで、必修科目の社会教養はビジネスマナーやコミュニケーションの方法など、選択科目の農業や環境、地域活性では教室での学習に加えて、県内のさまざまな実践活動にも参加する。このようなプログラムは全国でも珍しいという。
あいさつや電話の受け答えなど社会生活では当たり前のことが、ニート状態の若者にはつまずきの原因にもなる。常識を学び直し、小さな自信を得ることが社会への一歩につながるはずだ。また県内の都市部や農村部などでの活動から現在の課題を体感することで、自分に何ができるかを考える機会としてほしい。
総務省の調査では、県内のニート数は2002年の約1万4千人、人口比で全国3番目の多さから、07年は約8100人、全国40番へと大きく改善した。その背景には、県と県内の関係機関が連携する若者の自立支援の会議や、他県と比べ設置数が多い地域若者サポートステーションなどの活動の効果があるだろう。
ただ、数字の上では減っていても、カレッジの説明会の参加者から浮かぶ実態は深刻だ。例えば年金生活の60代の親は、30代のニートの子を抱えて今後の不安を訴えるという。年長のニートの増加は全国でも問題になりつつある。個人だけの責任ではなく社会全体の問題としてとらえ、早急な対応が求められる。
まず地域のサポステが若者の個別相談に応じる。そこで就労や就学への意欲を持てた若者が、次にカレッジのような中間支援機関であらためて社会性を学びながら、自分の進む道を模索できるとよい。
そのためには官民の協働が欠かせない。当事者からは、行政よりも民間からの働きかけのほうが抵抗が少ないという声もある。民間ならではの大胆な発想ときめ細かな活動を、行政が支える体制の整備をさらに進めたい。